免許返納、愛車はどうする?車の処分方法や返納後の移動手段などについて詳しく解説!
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高齢のご家族に「免許、そろそろ返したほうがいいかも」と伝えるのは、思っている以上に難しいものです。
また「返納後の車の扱い」や「返納後の移動手段」など、免許返納によって生じる課題について具体的な策がなければ、免許返納の提案はさらに困難となるでしょう。
そこで今回は、免許返納に関する基本的な知識や返納後の車の処分方法や地域が取り組むサービスについてご紹介します。
いつか来る「その日」に、備えておきましょう。
INDEX
運転免許の自主返納と「運転経歴証明書」について

自主返納とは、自分の意思で運転免許を警察へ返却することです。
高齢者の事故防止を目的として導入された制度で、近年では多くの方が利用しています。
手続きは、最寄りの運転免許センターや警察署で行うことが可能です。
本人が申請する場合、予約は不要な場合が多く、免許証を持参すればその日のうちに完了することもあります。
ちなみに、免許証は身分証としての役割もありますが、免許を返納してもすぐに身分証がなくなるわけではありません。
希望すれば「運転経歴証明書」を申請することで、免許返納後であってもこれまでと同様に身分証明として利用可能です。
運転経歴証明書の手続き方法と特典
運転経歴証明書は、免許を返納した後に発行される公的な証明書です。
身分証明書として銀行口座の開設や携帯電話の契約にも使用できるため、日常生活で困る場面が少なくなるでしょう。
申請は返納手続きの当日、または後日に警察署や運転免許センターで行うことができます。
発行には500〜1,100円程度の手数料が必要ですが、一度取得すれば更新は不要です。
また、この証明書を提示すると、タクシー料金の割引やバスの運賃優遇などの特典を受けられる地域もあります。
交通手段が限られる地域では、こうした制度を活用することで、移動への不安も少し和らぐかもしれません。
免許返納後の車、4つの賢い選択肢

運転免許を手放した後、残された愛車をどうするかは大きな悩みの一つでしょう。
車をそのまま放置してしまうと、税金や保険料などの維持費がかさみ、思わぬ負担になることもあります。
そのため、免許返納後のマイカーの扱いとして、下記のいずれかを検討すると良いでしょう。
- 家族や親しい人への譲渡
- 中古車買取業者への売却
- 廃車として処分
- 維持費を抑えながら一時的に保管する
選択肢1:家族や親しい人への譲渡
車を家族や友人に譲り渡す方法は、感情的にも実用的にも満足度が高い選択肢かもしれません。
大切にしていた車が身近な誰かの手に渡ることで、手放すことへの後悔が軽減されることもあります。
ただし、譲渡には名義変更の手続きが必要です。
この際、輸支局での申請や譲渡証明書の作成などの手間が発生します。
また、自動車税の負担者も変わるため、タイミングをみて早めに名義変更の手続きを行うのが良いでしょう。
選択肢2:中古車買取業者への売却

まだ十分に走行できる状態の車であれば、中古車として買い取ってもらう方法もあります。
走行距離が少なく、年式も比較的新しい場合は、思ったよりも高値がつくこともあるかもしれません。
買取はディーラーだけでなく、複数の業者から相見積もりを取ることで、より条件の良い売却が期待できます。
一括査定サイトなどを活用するのも一つの手です。
ただし、電話での営業が多くなる傾向もあるため、事前に流れを確認しておきましょう。
熊本で免許返納後の車売却をご検討の方へ
選択肢3:廃車として処分する
車の状態が悪い、あるいは長期間動かしていなかった場合には、廃車という選択肢も考えられます。
廃車には「解体届出」と「一時抹消登録」の2種類がありますが、完全に車を手放すなら解体手続きが一般的です。
解体業者に依頼すれば、代行で手続きを行ってくれることが多いため、手間も少なく済みます。
車両によっては、部品として再利用されることもあり、多少の買取価格がつくケースも。
費用と手続きのバランスをみて選ぶのがポイントです。
選択肢4:維持費を抑えながら一時的に保管する

今すぐに処分する決断がつかない場合は、車を保管しておく方法もあります。
身内に車を譲渡する予定があるがまだその時期じゃないなど、タイミングが合わない場合に有効です。
この場合「一時抹消登録」をすることで、自動車税や保険料の支払いを停止しておきましょう。
【目的別】車の処分方法を徹底解説!

車の処分方法にはさまざまな選択肢がありますが、何を優先するかによって最適な方法は異なります。
「少しでもお金にしたい」「とにかく早く手放したい」「信頼できる人に託したい」など、目的ごとに整理して考えることで、迷わずに進めることができるでしょう。
ここでは、目的別におすすめの処分方法をご紹介します。
【現金化したい】中古車買取業者へ売却する
車を売却して現金に変えることが目的であれば、中古車買取業者への売却が第一候補です。
年式や走行距離、車種によっては、予想以上の査定がつくこともあります。
売却時には、必要書類の準備や名義変更などの手続きが発生しますが、多くの業者は代行サービスを用意しています。
売却金額と手間のバランスを考えて、納得できる業者を選ぶのがポイントです。
関連記事:車検切れでも車の売却は可能!高値売却のコツと注意点
中古車買取業者を選ぶ際のポイント

買取業者は多数存在しますが、価格だけでなく対応の丁寧さや信頼性も重要な選定基準です。
口コミや評判を事前に調べ、納得感のある対応をしてくれる業者を見極めましょう。
特に初めての売却で不安がある場合、訪問査定や無料出張サービスを提供している業者を選ぶのがおすすめです。
査定の流れがスムーズであれば、売却までの負担も少なくなります。
買取業者の一括査定もおすすめ
複数の業者に一括で査定を依頼できる「一括査定サービス」を利用すれば、もっとも高い価格で売却できる可能性が高まります。
ただし、申し込み後に複数の業者から電話連絡が入ることもあるため、連絡手段や対応時間に注意しましょう。
事前に希望条件を決めておくと、やり取りもスムーズになります。
時間に余裕がある場合は、比較検討することで納得のいく結果が得られるかもしれません。
【手間をかけたくない】廃車専門業者に引き取ってもらう

車の状態が悪い、あるいは価値がほとんどない場合は、廃車専門業者に引き取りを依頼するのが現実的です。
引き取りから解体、手続きの代行まで一貫して行ってくれるため、もっとも手間が少ない方法といえるでしょう。
「無料引き取り」をうたう業者も多く、条件によっては逆に数千円〜数万円の報奨金が支払われることもあります。
査定額がつかない車でも、最後まできちんと処理してもらえるのが安心ですね。
【身近な人に】家族・知人へ譲渡する
車を大切にしてくれる人が身近にいるなら、譲渡という選択も有力です。
思い出の詰まった車が信頼できる人の手に渡るのは、気持ちの面でも安心できる方法かもしれません。
譲渡は売却よりも感情的な負担が少なく、相手との信頼関係も保たれやすい点が特徴です。
ただし、名義変更などの手続きは忘れずに行いましょう。
車の譲渡で注意すべきこと

譲渡する際は、名義変更や自動車税の負担者変更を確実に済ませることが大切です。
名義を変えずにそのまま使用されると、事故や違反が発生した場合の責任問題にもつながりかねません。
また、譲渡証明書や印鑑証明など、必要書類の準備も忘れずに。
相手が親しい人であっても、手続きをきちんと行うことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
車がなくても大丈夫!免許返納後の移動手段を支える特典

免許返納をすると「車がなくて不便になるかも」と感じる方が多いでしょう。
しかし、公共交通機関や地域の支援制度を活用すれば、移動で困ることはかなり減らせます。
実際、熊本ではJR九州やタクシー事業者、各地区ごとに運賃の割引や回数券の交付などの特典を用意しているようです。
それだけでなく地域の「移動支援サービス」や「福祉タクシー」なども使えることがあります。
免許返納後、移動手段がなくて大変だとお考えの方は、お住まいの地域にこうした特典がないか、一度確認してみるのがおすすめです。
例えば、熊本市では通院や買い物などへの送迎付き添いを提供する「地域支え合い型サービス」の移動支援が整備されています。
介助付きタクシーの手配を行う組織もあり、身体的な不安がある方も安心してご利用できるでしょう。
熊本で利用できる支援サービス例
- 熊本市内を運行する AI デマンドタクシーについて、料金を100円/日に割引
- 地域支え合い型移動支援サービス:高齢者の通院・買い物などに対応
- JR 九州「免許返納おでかけきっぷ」の提供
- 電動アシスト付き自転車の購入費の一部助成
免許返納についてよくある質問

運転免許の返納は、手続きや生活への影響が気になるものです。
ここでは、よくある4つの疑問を取り上げ、それぞれのポイントを簡潔に解説します。
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免許返納したら車の保険はどうなりますか?
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自動車保険(任意保険)は、名義が本人である限り、運転しなくなっても自動的に解約にはなりません。
運転をやめたら、契約者自らが保険会社へ連絡し、解約または名義変更の手続きを行う必要があります。なお、等級(無事故の割引率)は、家族へ引き継ぐことが可能です。
免許返納のタイミングに引き継ぎができなければ、自動車保険の中断をおすすめします。
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高齢者に車の運転をやめさせたいのですが、どうしたら良いですか?
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運転を続ける高齢のご家族に返納を勧めるのは、とてもデリケートな問題です。
まずは「心配している」という気持ちを率直に伝えることが大切です。「事故を起こす前に考えたいよね」「最近、信号の見落としはない?」といった問いかけから始めると、話を切り出しやすくなるでしょう。
また、運転経歴証明書の活用や地域の特典制度など、返納後の生活が意外と不便でないことを伝えるのも効果的です。
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免許返納で3万円もらえるのは本当ですか?
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「返納すれば3万円がもらえる」と耳にすることがありますが、これは一部の自治体で実施されている支援制度によるものです。
例えば、ICカードへのチャージや乗車券の配布、タクシー利用券として支給されるケースが該当します。ただし、金額や対象条件は自治体ごとに異なり、全国一律ではありません。
最新の情報は、お住まいの市区町村の役所や公式サイトで確認するのが確実です。
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免許返納をしたくても本人が行けない場合はどうすれば良いですか?
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高齢や病気などが理由で本人が警察署や免許センターに出向けない場合、代理人によって返納手続きを行いましょう。
代理人による手続きには、
- 申請者(本人)の有効な運転免許証又はマイナ免許証
- 委任状兼確認書
- 代理人誓約書
- 代理人の免許証などの身分証明書
が必要です。
書類の内容や様式は地域によって異なるため、事前に所轄の警察署へ確認しておくと安心です。
安心・安全なセカンドライフへ向けて

免許返納は、ただ運転をやめるだけではなく、新たなライフスタイルへの第一歩でもあります。
交通事故のリスクを避け、地域の支援制度や交通サービスを活用すれば、今までと変わらない暮らしを続けることも可能です。
今までできていたことが、急にできなくなるのは、本人にとって大きなストレスとなるかもしれません。
その際、家族とのつながりや周囲の理解が、本人の安心につながります。
「運転をやめても、不便ではない」そう本人が実感し新たな生活になじめるまでは、サポートを続けていくよう心がけられると良いですね。